近年では、趣味としてのアロマはもちろんのこと、治療院に介護施設、スポーツクラブや美容院などでもアロマテラピーが取り入れられています。活躍の場が徐々に広がりを見せており、さまざまな形で人を癒してくれているアロマですが、その歴史はどのようなものだったのでしょうか。この記事では、世界や日本におけるアロマの歴史と、現代のアロマテラピーについて解説します。興味がある方は、ぜひ読んでみてください。

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アロマテラピーと香りの歴史

アロマテラピーや香りは、いつ頃から人々の生活に取り入れられるようになったのでしょうか。その歴史について解説します。

人と香りの歴史

近年の研究から、人と香りの関係はとても深くて古くから続いていることが分かっており、その歴史は、紀元前3000年頃のエジプトにさかのぼります。古代エジプトでは、ミイラを作る際の防腐剤として、乳香（フランキンセンス）、没薬（ミルラ）、シダーウッドなどを使用していました。また悪魔払いなどの宗教的な儀式を執り行う際にも、植物の香りを焚く”薫香”を行っています。

 

一方、ローマ帝国の皇帝はバラの香りが大のお気に入りで、常にその香りを楽しんでいたと言われています。バラのオイルを身体に塗ったり、天井からバラの花が降ってくるような仕掛けを作ったりなど、常にバラの香りに触れられる生活を送っていました。

アロマテラピーの誕生と普及

香りを心身の健康や美容に役立てる、アロマテラピーが誕生したのは、20世紀に入ってからのことです。フランスの学者である、ルネ・モーリス・ガットフォセという人物が実験中に大やけどを負った際、たまたま近くにあったラベンダーのエッセンシャルオイルに手を浸したところ、とても経過が良かったというエピソードが残されています。彼はそのことをきっかけに精油の研究を開始し、「アロマテラピー」という言葉を造りました。

 

アロマテラピーの普及を語るうえで外せないのが、フランスの学者、マルグリット・モーリーという人物です。現在では世界中のアロマテラピーサロンで採用されている、「エッセンシャルオイルを植物性の油に希釈する」という方法を開発して、世に広めた人物です。彼の存在がなければ、現在のようにアロマトリートメントが普及することはなかったのではないかと言われています。

 

またアロマは第二次世界大戦中にも、エッセンシャルオイルは薬の代用品として、幅広く活躍していました。その頃には、アロマテラピーの文化は世界に広まってきていたと言えます。

日本におけるアロマの始まり

日本において、香りに関しての情報が確認できる最も古い記録は「日本書記」であると言われており、飛鳥時代にまでさかのぼります。また平安時代には、貴族の間でお香を使った遊びが流行り、手紙に焚き染めたり、香薬を調合して香りの優劣を競い合う遊びを楽しんだりしていました。1937年には香料会社がフランスからラベンダーの種を輸入し、香料原料や精油の生産を目的に、ラベンダーやミントの栽培を開始しています。

 

日本でもかなり古くから、香りを楽しんだり生活に役立てたりしていたことが分かります。

現代のアロマテラピー

1980年代には、日本国内でもアロマセラピーに関する書籍などが出回るようになり、アロマバスなどの形で気軽にアロマセラピーを楽しむ人が増えてきました。1990年代には、ベルギーやフランスで発展を遂げた、メディカルアロマセラピーが日本にも入ってきて、医療の現場に取り入れられるようになりました。

 

アロマやエッセンシャルオイルを楽しめるサロンが、日本で開業され始めたのは1990年代後半のことでしたが、あっという間に日本中に広がり、現代では、サロンの代表的なジャンルとして定着しています。

まとめ

いかがでしたか。世界における香りやアロマの歴史と、現代のアロマテラピーについて解説しました。たくさんのストレスにさらされている現代の人々に、癒しや安らぎを与えてくれる存在として、アロマは今後も発展し注目されていくでしょう。興味を持った方は、自分に合うアロマやアロマテラピーサロンを探して、ぜひ生活に取り入れてみてくださいね。